数週間前、小学3年生の女の子のが「ママの誕生日に、ママが好きな曲を弾きたい」と言って、「美女と野獣」の楽譜を持ってきました。
ピアノを始めて間もないので両手では半分弾くのがやっとだったのですが、誕生日までに少しでも弾けるように、と頑張って練習していました。
家でもこっそり練習していたようです。
そして、お母様の誕生日にできるところまでを演奏したそう。
その次のレッスンの時に、お母様がわざわざ挨拶をしに来てくださいました。
「教えてくださってありがとうございました。とても感動しました。」と。
私は生徒がやりたいと持ってきた曲を教えただけなので、お母様からそんなふうに言っていただけるとは思ってもみませんでした。
子どもらしい、純粋な心で、自分の演奏を聞かせたい、親に喜んでもらいたい、
私自身が失っていた気持ちを思い出させてくれました。
それが、段々と「練習しなさい」に変わり、うまく弾けないと、「練習が足りない」とされ、楽しむことも許されなくなった気分に陥る。
幼い頃からピアノを習ってきた子どもたちは、はじめは少し弾けただけでも親が褒めてくれて、喜んでくれて、楽しかった。
私もそうだったけど、多くの人がそうなのではないでしょうか。
お礼を言われて、
「私は何もしてないです。ご本人が頑張りました」と答えたけど、
「ママにプレゼントしたいと、子どもに言わせる、ご両親の関わりかたが素晴らしいです」
と言いたかった。
生徒の家族の思い出に少しでも関わらせてもらえて、本当に嬉しい出来事でした。
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